知識より胸に響くこと
自然に教わる星空観察
壁画古墳・キトラ古墳の石室の天井には、中国式の円形星図が描かれています。
現在の星座観賞は、西洋から伝えられた星座ですが、明治初期までは、日本で星座といえば中国の星座だったといいますから、いにしえへ思いを馳せて、明日香村から星空を眺めることはとても素敵なことです。
どこからでも美しい星は見えますが、宿近くの甘樫丘へ行くのもおすすめです。
甘樫丘(あまかしのおか)の展望台
明日香村中心あたりにある標高148mの緩やかな丘。川原展望台と甘樫丘展望台があり、頂上は町の灯りで少し明るく撮影には向きませんが、東側を向いて星空観察をすると空がより近く感じられます。必ず懐中電灯をお持ちください。
カシオペア座やさそり座などもくっきり見えて満天の星が見えることも。
条件が良ければ明日香村は本当に美しい星空を眺められるところです。
宿から近いのは甘樫丘展望台です。あすか夢の楽市前の甘樫橋を渡り、左へ進みすぐの路地を右に入ると駐輪場があります。そこから続く階段を上り、約15分で到着。
少し明るいうちに展望台へ行き眺望を楽しむのもおすすめです。
東側は明日香村の集落、西側は大和平野の市街地や 大和三山(畝傍山(うねび やま)、耳成山(みみなしやま)、香具山)を一望することができます。
生まれも育ちも奈良県明日香村の「フォトグラファー」、「インスタグラムアドバイザー」、「飛鳥応援大使」で、『飛鳥の魅力を沢山の人に知ってもらいたい』という想いで日々明日香村に関する情報発信をされています。
https://www.instagram.com/asukakkochan/
キトラ古墳天井壁画
キトラ古墳の石室内天井に描かれていた中国式の円形星図(壁画)には、360個以上の星々による70以上の星座が確認されています。
そのほか、内規(地平線の下に沈まない星の範囲)、外規(観測場所から見える星の範囲)、黄道(太陽の通り道)、赤道(天の赤道)の4つの円が描かれています。この天文図の原案は1700~2000年前の大陸で観測されたと推測されており、キトラ古墳天井壁画は、2020年に日本天文遺産に認定されています。
画像提供:奈良文化財研究所
中国の星座とは
現代に生きる私たちにとって星座というと西洋星座の事を指しますが、古代から江戸時代末までの日本では、中国流の星座を指していました。その中国の星座は2500年くらい前に成立した体系といわれています。
中国の星座は、「二十八宿」と呼ばれる天の赤道に沿った28の星座と、古代中国の身分制度が反映された250余の星座の2グループに分けられています。その一つ「二十八宿」には、星座を四方(7つの星座づつ)に分け、東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武の天をつかさどる神「四神」姿があてはめられていました。明日香村の「高松塚古墳」や「キトラ古墳」にはその「四神」の姿も描かれています。
※「四神」の壁画は下記URLをご参照ください。
素敵な風景と共に
美しい星空が眺められる場所が
数多くあります
天文パートナー薄 康仙